~この制度は使えるの?制度の内容とポイントをわかりやすくご紹介~
パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)は、進行性の神経疾患の一つであり、日本では「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」に基づく「指定難病」に指定されています。
そのため、一定の条件を満たすと 「難病医療費助成制度」 を利用することができ、医療費の自己負担を軽減することが可能です。
患者さん本人だけでなく、ご家族にとっても重要な制度ですので、ここでは制度の概要とポイントを分かりやすく紹介します。
1.助成の対象となる基準
難病医療費助成を受けるためには、原則として次のいずれかの条件を満たす必要があります。
① 病状の程度が一定以上
パーキンソン病の場合、次の両方を満たすと対象となります。
- ホーエン・ヤール重症度分類:ステージⅢ以上
- 生活機能障害度:Ⅱ度またはⅢ度
これは、日常生活への影響がある程度以上認められる状態を示しています。

② 軽症高額該当
症状が上記基準に満たない場合でも、医療費が高額になるケースでは助成の対象になることがあります。
具体的には次の条件です。
- 申請月以前の12ヶ月以内に、1ヶ月の総医療費(10割分)が33,330円を超える月が3回以上ある場合
この場合、「軽症高額該当」として医療費助成の対象となります。
2.助成の内容
制度の認定を受けると、医療費の負担が次のように軽減されます。
① 自己負担割合の軽減
医療費の自己負担は 2割 になります。
※もともと1割負担の方はそのまま1割です。
② 月額の自己負担上限額
世帯の所得に応じて、1か月あたりの自己負担上限額が設定されます。
そのため、上限額を超えた分の医療費は支払う必要がありません。
| 階層区分 | 世帯の状況 | 本人年収の目安 | 自己負担上限額(外来+入院) 患者負担割合:2割 |
||
|---|---|---|---|---|---|
| 一般 | 高額かつ長期 | 人工呼吸器等装着者 | |||
| 生活保護 | ― | ― | 0 | 0 | 0 |
| 低所得Ⅰ | 市町村民税非課税(世帯) | 〜80.9万円 | 2,500 | 2,500 | 1,000 |
| 低所得Ⅱ | 市町村民税非課税(世帯) | 80.9万円超〜 | 5,000 | 5,000 | 1,000 |
| 一般所得Ⅰ | 市町村民税課税以上7.1万円未満 | 約160万円〜約370万円 | 10,000 | 5,000 | 1,000 |
| 一般所得Ⅱ | 市町村民税7.1万円以上25.1万円未満 | 約370万円〜約810万円 | 20,000 | 10,000 | 1,000 |
| 上位所得 | 市町村民税25.1万円以上 | 約810万円〜 | 30,000 | 20,000 | 1,000 |
| 入院時の食費 | 全額自己負担 | ||||
③ 高額かつ長期の軽減措置
すでに認定を受けている方で、
- 総医療費(10割)が5万円以上の月
- 年間6回以上
ある場合には、自己負担上限額がさらに引き下げられます。
3.申請手続
申請の流れと必要な手続き
申請窓口
お住まいの地域を管轄する保健所などの窓口で申請します。
必要書類
申請には、医師が作成する
「臨床調査個人票(診断書)」が必要になります。
認定後
審査の後、認定されると
「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付されます。
自己負担上限額管理票
制度を利用する際は、
「自己負担上限額管理票」を医療機関や薬局で提示します。
支払った金額を記録し、月ごとの自己負担額を管理する仕組みです。
4.訪問看護を利用する場合のポイント
パーキンソン病では、訪問看護や訪問リハビリを利用する方も多くいます。
その際には、次の点を知っておくと安心です。
医療保険が優先されるケース
次の条件に該当する場合
- ホーエン・ヤール ステージⅢ以上
- 生活機能障害度 Ⅱ度またはⅢ度
この場合は、介護保険より医療保険の訪問看護が優先されます。
受給者証がなくても利用可能
必ずしも指定難病の受給者証が必要とは限りません。
医師が
- 訪問看護指示書に重症度基準を満たしていることを記載
すれば、医療保険で訪問看護を利用することができます。
指定難病認定がある場合
指定難病として認定されている場合は
訪問看護の自己負担分にも助成が適用されます。
5.助成の対象になる医療費
助成の対象となる主な医療費は次の通りです。
対象となるもの
- 診察
- 薬剤
- 入院
- 訪問看護
対象外となるもの
- 入院時の食事代
- 差額ベッド代
- その他の保険外費用
まとめ
医療費助成の対象になるのは、診察・薬剤・入院・訪問看護などの保険診療です。 一方で、入院時の食事代や差額ベッド代、そのほかの保険外費用は対象外です。 実際の自己負担額や対象範囲は制度や所得区分などによって異なるため、申請時には自治体や医療機関で確認することが大切です。
まとめ
パーキンソン病は長く付き合っていく病気であり、治療やケアも継続していく必要があります。
難病医療費助成制度を利用することで、医療費の負担を軽減しながら必要な医療や支援を受けることができます。
制度を知らずに利用できていない方も少なくありません。
気になる場合は、主治医や地域の保健所、訪問看護ステーションなどに相談してみることをおすすめします。
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