パーキンソン病は、進行の仕方や症状の現れ方に個人差が大きく、
「まだ日常生活は問題ない」「薬がよく効いているから大丈夫」と感じられる時期があります。
特に、診断直後から数年間は
**薬の効果が安定し、症状が目立ちにくい“ハネムーン期”**と呼ばれる時期にあたることが多く、
- 今は困っていない
- リハビリは必要になってからでいい
- もう少し様子を見たい
と考えられがちです。
しかし実はこの ハネムーン期こそ、リハビリを始める意味が大きい時期 であることが分かってきています。
この記事では、
パーキンソン病におけるハネムーン期の考え方と、
訪問リハビリがどのように役立つのかを、分かりやすくご紹介します。
パーキンソン病の「ハネムーン期」とは
ハネムーン期とは、主に診断後〜数年間に見られる、
- 薬の効果が安定している
- 動きづらさが軽い
- 日常生活が大きく崩れていない
といった時期を指します。
この時期は一見「症状が落ち着いている」ように見えますが、
実際には、
- 動きの小ささ
- 姿勢の変化
- 動作のクセ
などが、少しずつ体に染みついていく時期でもあります。
そのため、
「困ってから対処する」よりも、
困らない体の使い方を先に身につけておくことが、将来の生活のしやすさにつながります。
ハネムーン期からリハビリを始める意味
ハネムーン期のリハビリの目的は、
「今できないことをできるようにする」ことではありません。
むしろ、
- 今できている動作を崩さない
- 無意識に出ている動作のクセに気づく
- 体の使い方を整える
といった、予防的な関わりが中心になります。
この時期にリハビリを取り入れることで、
- 動きが小さくなりすぎる前に調整できる
- 転倒しにくい体の使い方を覚えられる
- 「動きにくさへの対処方法」を早めに知ることができる
といったメリットがあります。
訪問リハビリでできること
訪問リハビリでは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが、
ご自宅を訪問し、生活に合わせたリハビリを行います。
動作・歩行の練習
- 立ち上がりや方向転換の練習
- 歩幅やリズムを意識した歩行
- すくみ足への対応方法
姿勢・体の使い方の調整
- 前かがみ姿勢への気づき
- 体の軸を意識した動き
- 無理のない力の入れ方
日常生活動作(ADL)の工夫
- 更衣やトイレ動作
- 入浴時の安全な動き
- 家事動作の負担軽減
ハネムーン期だからこそ、
「修正しやすい」「身につきやすい」 という特徴があります。
自宅だからこそできるリハビリがあります
訪問リハビリの大きな特徴は、
実際に生活している環境の中でリハビリができることです。
- 玄関の段差
- トイレや浴室の動線
- よく使う椅子やベッド
こうした環境を確認しながら、
- 転びにくい動作
- 動きやすい配置
- 将来を見据えた環境調整
を行います。
ハネムーン期のうちから環境を整えておくことで、
症状が進行しても生活を大きく変えずに済むケースも少なくありません。
訪問看護との連携が、ハネムーン期を支えます
パーキンソン病では、
同じ一日でも時間帯によって動きや体調が変化します。
訪問リハビリは、訪問看護と連携することで、
- 服薬状況の共有
- オン・オフ状態の把握
- 体調変化への早期対応
が可能になります。
「今は調子がいい時期だからこそ」、
変化を見逃さず、先を見据えた関わりができることが大きな強みです。
こんな方に、ハネムーン期の訪問リハビリはおすすめです
- 診断されたばかりで、今後が不安
- 薬は効いているが、動きにくさを少し感じ始めた
- できるだけ長く自宅生活を続けたい
- 将来の変化に備えておきたい
- 家族に負担をかけすぎたくない
「まだ大丈夫な今」だからこそ、できる準備があります。
まとめ|ハネムーン期から始める“生活を守るリハビリ”
パーキンソン病のリハビリは、
症状が進んでから始めるものではありません。
特にハネムーン期は、
- 体が動く
- 学習しやすい
- 生活を整えやすい
という、大切な時期です。
訪問リハビリは、
その人の生活に寄り添いながら、
今の暮らしを守り、これからの変化に備える支援です。
「今のうちに関わっておいてよかった」
そう思っていただけるようなリハビリを大切にしています。